飛沫節

はじめまして。略してNMということでひとつ。

【みんすとれる】

ミンストレル』



Minstrel Show *1

ミンストレル (英 Minstrel) は、中世ヨーロッパにおいて宮廷に仕えた職業芸人達の事を指す。また現代に於いては、ジョングルールと共に吟遊詩人を表す言葉として使われる事も多い。


中略


また非常に芸に優れていたために人気が高かったジョングルールの中には、ミンストレルへの宮廷からの誘いを断った強者も多くいたらしく、それを自慢げに歌っている詩も残されている。*2


吟遊詩人ってものについてはまたいつか調べるとして、そのジョングルールとは?

ジョングルール (仏 jongleur) は主にフランスにおける「大道芸人」の事。中世フランスに現れ、各地を遍歴して民衆文化の伝搬や伝承の担い手としての役目をはたした。現代でも大道芸人を指す言葉として生きている。また現代に於いてはミンストレルと共に吟遊詩人を表す言葉として使われる事も多い。


ラテン語で「道化者」を意味するジョクラトル joculator に起源を持つ、古フランス語のジョグラール jogleor に由来する。何時頃から現れたか良くわかっていない。イベリア半島イスラム勢力が流入して来た時期に重なるために、それと結びつける説があるが、彼らを外国人とした記述は無い。


中略


こうして文化の担い手として大きな影響を持っていたが、一方で地位的には底辺(アウトカースト)と見られ、物乞い達と呼ばれるなど長い間差別されていた。 13世紀は騎士階級の没落とともに彼らの存在感が増した時期で、『ジョングルールの黄金の世紀』と呼ばれる程勢力を伸ばし、フランス各地に技術の向上や互助的な目的でピュイと呼ばれる友愛組合や音楽組合を結成し、地位の向上を図るなど積極的な活動を示した。15世紀頃にはそうした組合によって飛躍的に技術が向上した彼らは、それぞれの道に秀でた演芸者、例えば演奏家や舞踏家、歌手などの専門職に分化していった。*3


なるほどなぁ。起源が不明瞭ながら、差別的に扱われていたということは、やっぱり『よそ者』だったんだろうね。自分が『知らないもの』ほど負のレッテルを貼りたがるのが世の常人の常。彼らが磨いた芸は、まさに自らの身を助けるものだったんですな。そうした、彼らの背負った滑稽さや悲しさにインスピレーションを受けて、かのジム・クロウ法の名称由来ともなった『ミンストレル・ショー』が幕を開けた、のかどうかは調べがついてないが、いつの世にも人々を笑わせるのユーモアというのは、やはり一方でそういった悲しみ、怒りを超克していくための主張であり、表現なのかなあと。

ミンストレル・ショー(Minstrel Show)
ミンストレル・ショーとは、19世紀中期頃からアメリカで人気を得ていた舞台芸能の形式の一つである。その初期においては、白人歌手やコメディアンたちが、ニグロの訛り、動作、踊り、歌などを真似るという舞台芸であった。白人芸人たちは顔を黒く塗ってニグロに扮して歌ったそうだが、のちに黒人たちによるグループもあらわれた。この舞台芸は、19世紀後半の頃になると、一つの劇場での長期上演されるなど、立派な大衆娯楽の地位を得た。

曲の多くは白人の作曲家が担当し、Stephen Fosterも曲を提供していた一人である。また、1890年代には「Carry Me Back To Old Virginny」の作曲者として有名なJames Bland(彼は、なんと黒人であった。)が、ミンストレル・ショーの一座を率いてイギリスに渡り、好評を博したという。この時代に黒人芸人がこのような活躍をしていた事は意外だが、このJames Blandの長期滞在の影響で、イギリスにも多数のミンストレル・グループが出現したそうだ。

1910年代になると、ラジオや映画の普及によって、その大衆芸能としての地位を失う事となる。しかしながら、小さなグループが多数残り、その後もアメリカ南部を巡業していたそうだ。初期の重要なミュージシャンの中には、こうしたミンストレル・グループで演奏をしていた者もいるため、ジャズの誕生にはなんらかの影響を与えているはずである。*4

Minstrel Show*5


ある評論家によると上記のミンストレル・ショーは、差別的に黒人を嘲笑するものでなく、当時の社会に不満を持つプア・ホワイトと、黒人の文化の融合から誕生したきわめて先鋭的なパフォーマンスであり、差別的であるどころか、差別に対抗する姿勢がかたちとなって現われたものであったそうです。


まあ、そんなわけで若干長くなりましたが、コレお勧め迎夢とCD。


ロマンシング サガ -Minstrel Song-

ロマンシング サガ -Minstrel Song-

*6


ザ・ミンストレル・ショウ(初回限定ファイネスト・プライス)

ザ・ミンストレル・ショウ(初回限定ファイネスト・プライス)

*7